裁縫箱を手作りしてみた

DEAN&DELUCA(ディーンアンドデルーカ)のお菓子売場で見つけたカゴ(たぶんお菓子などを詰め合わせて贈る用)を裁縫箱に改造してみました。
改造作業が楽しかったので、これはその記録です。
それまでの問題点や改善したかった点など、すごく長く好き勝手に書きましたので、どういう作りになっているかだけ知りたい方は、文の後半をご覧ください。
今まで使っていたものは、右の資生堂パーラーの空き缶でした。
フタがしっかり閉まり、片手で持てるので棚から取り出しやすく、また見た目も可愛いので気に入っていたのですが、ふと「もしかして使いにくくないか?」と自問し始めたのでした。というのも、中身がこんな感じで↓
仕切りがなく、とりあえず入るところに詰め込んでいる状態。一見片付いているように見えますが、ここから一つ取り出すとなると、仕切りがないために隣のものたちがずるずるとすべり、空いた場所を占拠してしまうのです。元の場所へ戻そうとすると、居座ったお隣さんを片手でどかし抑えている間に、もう片方の手で運び納めるという行為が必要で、お裁縫中、それは何度も行っていました。
これは、時間の無駄で無秩序であり改善せねば、と気づけたことがまず第一歩でした。

次の裁縫箱たるや、もう少し大きく、仕切りで中のものが動かないようでなくてはならない、そう考えてディーンアンドデルーカのお菓子売場を物色していたのでした。
ふと、見上げた棚の上に、このカゴがあり一目惚れしました。枠の大きさといい深さといい素材といい、ちょうど良さそうだと。
あとはどうしたいか、でしたが、このカゴを手に入れた時から、すでに色は水色と白で、ラブリーな感じにしたいと決めていました。イメージに合った布やブレード、レースなどを集め、箱にくっつけていきます。

ここから後半(作ってく様子)

布は、埃が立たないようにビニールコーティングされたものを選びました。裁断したところから糸が出ず、端の処理が要らないので楽です。
箱の内側を細かく採寸してボンドやセメダインで付けました。
淵にプチブレードを、木工用ボンドで貼ります。
次はトレイ。これは、100円ショップを巡ってカゴの内枠に丁度良いサイズのものを探しました。仕切り兼取手は厚紙とビニールコーティングの布で作りました。
両端2個ずつ付いている突起は、カゴの淵に引っかかる用です。金属製の粘着フックを上下逆さに貼って、ペンチでフック部分を90度に広げました。
モデル:ひとつめちゃん3体
こんな風に淵に引っかかるので、下段スペースが確保され、収納力アップです。

フタに蝶番を付けるため、セメダインが実用強度になるまでこのまま。蝶番付属の釘が使えれば良かったのですが、フタの厚みが薄くて釘が出てしまう長さだったので、接着剤が頼りです。
48時間後、がっちり固定されました。
次はフタの内側。
ただの木の板(フタの内側)に、布にポケットを付けたものを貼り付け、周りにはまたプチブレードを貼りました。ポケットは、口に平ゴムを入れて、ギャザーポケットにしています。こうすると、フタを閉めたときも入れてるものが出にくいでしょ。
あと、上から垂れているものは、フタ開閉するときに掴むチャームです。ベビーヒートンという小さなヒートンをフタの側面にねじ込み、そこにチャームを付けました。プチブレードの余りと、ゴールドのハサミ、チェコガラスのきのこが付いてます。
ここで、ピンクッションを一新したくなりました。
小学校に上がる前から揃えてもらってた手芸道具であるピンクの針山。愛着はあるものの、薄汚れているしレースが好みでないのです。また、長い針を上から刺すと下から針先が出て危なかった。
そこで使えるところは使って、リメイクすることにしました。
好きな柄の布で包んだり、ツートーンにして境目にプチブレードで一周させたり…この裁縫箱に合うピンクッションとは、を考えて2〜3日、夢にまで見るほどになったころ、きのこのチャームに合うもの、赤い水玉のきのこのピンクッションにしよう!と決まりました。赤い水玉のきのこというと、ベニテングダケがメルヒェンで可愛らしいですが、それではありきたりなので、迷わず大好きなきのこ「ブリーディングトゥース」(学名 Hydnellum peckii)をモデルに、手近にあったクロスステッチで作りました。
ブリーディングトゥースをご存知ない方は、「ブリーディングトゥース 画像」で検索してみてください。ぷちぷちと赤い液体が白地に吹き出していて、魅惑のきのこです。時間を忘れて見入ってしまいます。
で、できたのがこちら。下はツナの空き缶です。クラフト紙のステッカーをベタベタはってパッケージを隠してます。
さらに整えて、下から周り部分には、麻の毛糸でカゴっぽく…と編んでみたのですが、これがてんで可愛くない。なんかちがーう!と解いて解いて、またブリーディングトゥースの画像をジーっと見てたら、緑だと気付きました。苔ですね。苔の素晴らしい緑色を背景にする事で、このきのこはさらに美しいのだな、と。ということで、淵部分を緑色の麻の糸で草っぽく編んでみました。
赤と白の待ち針を刺すことで、更にブリーディングトゥースたる雰囲気が醸し出され、満足のいくものが作れました。
あの薄汚れた古い針山を、きのこピンクッションにリメイクできて、達成感を噛み締めたものでした。
次に、フタと本体をチロリアンテープで繋ぎ、フタが後方に倒れないようにしました。
これでできあがりです。
収納スペースを確保しつつ、よく使う道具は上段に、片手で出しやすく配置できました。
早速、ポーチ作りをしていますが、使い勝手も良い感じです。

普段使いしてると気付きにくいけど、これもっと良くならないかしら?という視点で、他のことも改善していけたらいいなと思いました、

ぬいこのぬい工房

編み小物を日々細々と作っています。ときどき販売も。 製作過程や販売のことをブログにつづります。